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内向型なのに人付き合いが好き、は矛盾じゃない

集まりを楽しめるかどうかは、もともとの「内向」の定義に含まれていません。気力がどこで戻るかと、人前で気負わずにいられるかを分けて見れば、人付き合いを楽しむことと内向寄りであることは矛盾しません。

執筆:Traitium読了の目安:4分
開けた場所に集まる色とりどりの球と、やわらかな光に包まれた静かな窪地を、細い道が結んでいるイラスト。

幹事の帰り道

2週間前に店を押さえ、部署の歓送迎会で幹事を務めた夜。乾杯の音頭をとり、端の席で黙っている新人に話を振り、異動する先輩へ花束を渡すところまで、段取りどおりに進める。お開きのとき、課長に「幹事、慣れてるね」と声をかけられる。

店の前で、帰る方向が同じ同僚が「駅まで一緒に行こう」と言う。「ちょっとコンビニに寄るので」と手を振り、ひとつ先の角を曲がって遠回りで駅へ向かう。会は楽しかったし、頼まれればまた引き受けるつもりでいる。ただ、今夜はもう誰とも話したくない。

職場では外向的な人だと思われていて、自分では内向的だと思っている。どちらかが間違っているような、その落ち着かなさを「内向型なのに人付き合いが好き」という言葉にする。私たちは、この「なのに」は要らないと考えています。乾杯の音頭を苦もなくとれることと、帰り道にひとりになりたいことは、別々の傾向から来ています。

「内向的」のもとの意味

普段の会話で「内向的」と言えば、人見知りや引っ込み思案のことだと受け取られがちです。Myers & Briggs Foundationの解説も、一般には外向が「社交的」、内向が「恥ずかしがりで内にこもりがち」という意味で理解されている、と書いています。

同じ解説によれば、ユングがこの2つの言葉で表そうとしたのは、エネルギーがどちらに向かうかでした。外向は人や物がある外の世界へ、内向は考えや概念がある内の世界へ。外向寄りの人は外の世界との関わりで、内向寄りの人は内側でじっくり考えることで気力が湧いてくる、という説明です。

この定義には、人前で話せるかどうかも、人が好きかどうかも含まれていません。

遠回りした理由

コンビニを口実にした遠回りは、ひとりで歩く時間をつくるためのものでした。にぎやかな夜を終えて、来たときより元気になっている人もいれば、同じ夜を心から楽しんだうえで、静かな時間を挟まないといつもの調子に戻らない人もいます。

Traitiumでは、この違いを「エネルギーの向き」という次元で扱います。前の節で見た、ユングの考え方に沿ったものです。人と過ごす時間とひとりの時間の、どちらで気力が満ちていくかを0〜100のスコアで表します。0に近いほど外向、100に近いほど内向です。

人前で、気負わずにいられるか

乾杯の音頭や新人への声かけに表れていたのは、また別の傾向です。初対面の人と話す、意見を口にする、注目を浴びる。そうした人の目にさらされる場面で、どれだけ気負わずにいられるか。Traitiumではこれを「対人場面での自信」と呼び、0〜100のスコアで表します。高いほど「堂々」、低いほど「控えめ」の側に寄ります。

2つの次元は別々にスコアにするので、次の図の4つの組み合わせはどれも起こりえますが、4つに同じくらいずつ人が分かれるとは限りません。

外向的なのに人見知り

横軸にエネルギーの向き(右へ行くほど内向)、縦軸に対人場面での自信(上へ行くほど堂々)をとります。冒頭の幹事は右上寄りでしょう。人前では堂々としていて、気力はひとりの時間で戻る。

左下はその逆です。人と過ごすほど調子が上がり、誘われればうれしい。それなのに、知らない人ばかりの場では最初のひと言がなかなか出てこない。自分のことを「外向的なのに人見知り」と言い表す人もいるでしょう。こちらの「なのに」も、2つの軸を1本にまとめたところから生まれています。

説明図

エネルギーの向き × 対人場面での自信

↑ 対人場面での自信 · 控えめ → 堂々

→ エネルギーの向き · 外向:人の中で充電 → 内向:ひとりで充電

  1. 01

    人の中で調子が上がる

    外向:人の中で充電 · 堂々

    初対面の席でも自分から話しかけ、会が終わってもまだ誰かと話していたい。

  2. 02

    人前では堂々、帰りはひとり

    内向:ひとりで充電 · 堂々

    司会や挨拶を落ち着いてこなし、終わったあとは静かな時間で調子を取り戻す。

  3. 03

    人の中で元気、最初のひと言が重い

    外向:人の中で充電 · 控えめ

    知った顔がいれば楽しめる。知らない人ばかりの場では、輪に入るまでに時間がかかる。

  4. 04

    少人数で、自分のペースで

    内向:ひとりで充電 · 控えめ

    気心の知れた相手との食事が心地よく、注目を浴びる役はできれば人に任せたい。

説明のための図で、調査データではありません。実際のスコアは0〜100の連続した値です。

駅まで、と誘われたら

冒頭の幹事は、次に頼まれてもまた引き受けるはずです。人前に立つこと自体は苦にならず、気になるのは終わったあとの疲れのほう。だから引き受けたうえで、翌日の土曜には予定を入れずにおく。

お開きのあと、駅まで一緒に、とまた声をかけられる。今度はコンビニの話はせずに「今日は少し歩いて帰りたいので、お先にどうぞ」と返し、ひとつ先の角を曲がる。

参考資料と注記

  1. [1]Myers & Briggs Foundation:E–Iなど4つの選好の解説

    E–Iの節。外向・内向の日常的な受け取られ方と、ユングが意図したエネルギーの向きとの違いを参照しています。Traitiumの次元を検証した資料ではありません。

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